つがやす薬局ブログ

各店舗からの情報発信をしています

~災害対策検討会の設立~

輝かしい年の初めに

皆様のご多幸とご活躍をお祈り致します

 

久しぶりにブログを書きます。西1条店のYです。

 

近年、過去に前例のない災害が発生しております。

薬局の立地しているここ十勝地域においても例外ではございません。昨年夏には、台風による大雨の影響で、薬局の立地する地域の主要一級河川が増水し避難勧告が発令されたところであります。

いつ、どこで災害が起こっても不思議ではありません。災害に遭遇し命を落とさずに生き延びるために対策を講じることは必要なことです。

災害対策検討会設立にあたり、その立ち上げの意義について種々調査を行った結果、興味深い調査がございましたので、ご紹介致します。

 

1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災(地震名:兵庫県南部地震)では、倒れた家屋によって生き埋めになったり閉じ込められたりした際、救助された人について調査されました。以下に救助方法の内訳を示します。

 

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【出典】原発・大震災サバイバルブック 完全保存版 週刊朝日 臨時増刊 2011/5/25号

 

自助・・・自らの安全はもとより、家族、財産は自分で守る。これが防災の基本思想。

共助・・・自分が住んでいる地域は自分で守る。

公助・・・警察・消防・県・国などの行政機関の応急対策活動。

 

通常、自助:共助:公助の割合は、7:2:1とされていますが、それが大きく崩れたのが阪神・淡路大震災でした。

阪神・淡路大震災では発生から15分以内に多数の人が圧死しました。死者の8割が家屋の下敷きになって圧死した。混乱を極めた状況下では救助隊による救出は期待しないほうがいいと考えられます。

即ち、普段身近な所から災害対策を行う必要性がみえてきたといえます。

 

地域における薬局の役割を考えた時、果たして調剤・医薬品の供給のみに甘んじていいのであろうか!?

 

薬剤師法第一条(薬剤師の任務)

「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする」とあります。

また、

医療法第三十条の四

都道府県は、基本方針に即して、かつ地域の実情に応じて、当該都道府県における医療提供体制の確保を図るための計画(以下「医療計画」)を定めるものとする」とあります。

この医療計画の中の一つに災害時における医療も含まれております。

 

災害時においても「国民の健康な生活を確保」するためには、一体何をどのようにすればいいのでしょうか?

 

そこで、災害対策の一環として地域の外部研修会に参加して来ました。

 

主 催:帯広市、市町内会連合会

目  的:地域での災害対応の核となる人材の養成

内容:「避難所運営ゲーム(HUG)北海道Doはぐ」の実施

HUG(ハグ)は、平成19年に静岡県が開発した防災ゲームです。避難所(Hinanzyo)運営(Unei)ゲーム(Game)の略であり、また英語の「抱きしめる」という意味から、避難所において避難者をやさしく受け入れるというイメージで名付けられました。

避難所HUGは、大地震発生時の避難所運営を皆で考える一つの手段として、避難者の年齢や性別、国籍やそれぞれが抱える情報が書かれたカードを避難者の体育館や教室に見立てた平面図にどれだけ適切に配置できるか、また避難所で起こる様々な出来事にどう対応していくかを模擬体験するゲームです。

プレイヤーは、このゲームを通して災害時要救護者へ配慮しながら、部屋割りを考え、また炊き出し場や仮設トイレの配置などの生活空間の確保、視察や取材対応といった出来事に対して、思いのままに意見を出しあったり、話し合ったりしながらゲーム感覚で避難所の運営を学ぶことができます。

 

当日:12班で構成、7~8名/班

HUGの仕様:北海道版(想定:震度5~6の揺れ,厳冬期,ライフライン不可,北町・東町・南町・西町の四地区の町内会から避難者が小学校へ避難,体育館・教室・グランド使用可)

やり方:進行役(避難者カード読み上げ係):1名  残り:プレーヤー

 

      →進行役が避難者の情報が記載されたカードを順番に読み上げながら、プレーヤー

に渡す。

      →プレーヤーは、体育館や教室など避難者が生活するスペースを見立てた用紙に、

避難者カードを並べていく。

      →避難者カード以外にも、避難所で想定される出来事が書かれたカードがあり、プレーヤーは避難所運営のための処理を行う。

      →ゲーム終了後に、避難者の配置方法やイベントの対処方法などについて話し合いを行い、より良い避難所運営の在り方を検討。

 

 

町内会主催ということもあり参加者の年齢層は高めで、普段地域で生活されている方が多く参加されているという印象でした。避難者は、老若男女家族構成の異なる方々や、被災状況が異なる方々が多く、避難所に集まり一つのコミュニティを形成することは、その場の状況を予めシュミレーションしておかないと運営到底不可能であることを机上ではありましたが痛感致しました。

薬局という場も色々な疾患・悩み・不安をもった方々の集まるところです。

避難所運営ゲームは、そうした多種多様な患者様に対してどう対応するのか何らかのヒントを与えてくれる手段となるものであると思います。

そして、薬剤師法第一条、医療法第三十条の四を遂行するために、絶えず新たなことに挑戦していかなくてはなりません。

 

“チャレンジなくしてチェンジなし”

 

我々とともに志を一にし、今年の干支酉のように

新たなステージに向けて共に一歩踏み出しましょう。